ネットショップ・ECサイトでの配送方法の種類と特徴
ネットショップ・ECサイトで商品を送る場合は、配送業者へ商品の配送を依頼します。
配送の方法はいくつかの種類があり特徴やメリット・デメリットがそれぞれ異なってくるため、商品に合わせた配送方法の選択が必要となります。
この記事では、ネットショップ・ECサイトで用いられる配送方法について特徴とメリット・デメリットの解説をしております。
ネットショップ・ECサイトの開業を考えている方だけでなく、物流業界の「2024年問題」を考えリニューアルや配送コスト見直しを検討している方のご参考になれば幸いです。
配送方法の種類
ネットショップ・ECサイトでの利用率が高い配送方法は宅急便とメール便(ポスト投函便)になります。
今回はその2つ以外の軽貨物配送、国際宅急便(国際郵便)も含め、それぞれご紹介いたします。
宅配便
ネットショップ・ECサイトでは最も利用されている配送方法です。
ヤマト運輸、佐川急便などの企業が宅配サービスを行っていますが、日本郵政の「ゆうパック」も宅配便サービスに含まれます。
出荷から到着までがスピーディで、荷物の紛失・破損時の補償があり、代金引換も利用できるなどサービスが充実しています。
反面、メール便(ポスト投函便)と比較すると高価格となり、配送距離 / 重量 / サイズなどで費用が変わってくる点は注意が必要です。
商品サイズや紛失・破損時の補償を踏まえ、補償が必要な価格の商品やメール便では送れないサイズの商品、食品などを発送する際にオススメです。
メリット
・輸送がスピーディで日時 / 時間指定が可能
・配送追跡 / 紛失・破損補償があり、お客様の安心感も高い
・冷凍 / 冷蔵の商品も配送可能
デメリット
・メール便(ポスト投函便)と比較すると高価格
・配送距離 / 重量 / サイズで費用が変わる場合がある
・対面受け取りのみ可能な場合は、不在時に受け取れない
細かなサービス内容は配送業者や荷物のサイズによって変わりますので、詳しくは各配送サービスをご確認ください。
メール便(ポスト投函便)
メール便(ポスト投函便)は郵便受け・ポストへ配送を行う宅配サービスです。
対面での受け取りが必要ないため配送時間を気にする必要がなく、荷物の受け取りが容易なのがお客様にとってメリットとなります。
配送料金が全国一律で変動がほぼ無いため、低コストでの発送が可能となります。
宅配業者やサービスによっては配送追跡 / 紛失・破損補償が付く場合もありますが、宅配便よりも補償価格が安い場合が多いです。
また、補償が付かない場合には郵便受け・ポストの荷物が紛失した場合にトラブルとなる場合もあります。
配送速度は宅急便と同じか、宅急便より時間がかかることがあります。
郵便受け・ポストに荷物が入らなかった場合は対面受け取りとなる場合もあるため、安価で小さな商品の配送などにオススメとなります。
メリット
・配送料金が安く低コスト
・梱包の手間が少ない
・受け取りが容易でお客様の手間が少ない
デメリット
・配送する荷物のサイズが限定される
・配送日時 / 時間指定 / 代金引換が利用できない
・紛失・破損補償は宅急便より安く、補償が付かない場合は紛失のリスクがある
・冷凍 / 冷蔵の商品は送れない
冷凍 / 冷蔵での管理が必要な食品は送れませんが、一部のサプリメントなど温度管理が不要な商品は可能なため、商品により向き不向きがある配送方法となります。
軽貨物配送
軽貨物配送は軽貨物トラックで配送を行う配送サービスのことです。
大手企業だけでなく中小から個人まで幅広く配送業務やドライバーとして携わっています。
通常の宅急便のサイズを超えた商品などは軽貨物配送で依頼することもあるかと思います。
そのため、大きな電化製品や家具を扱うネットショップ・ECサイトの場合は軽貨物配送と契約を行った方がコストが抑えられる場合もあります。
また特殊な配送を請け負ってくれる場合もあり、ペット輸送や配送を貸し切りで行ってくれるなど、サービス面での強みがあります。
現在は小口貨物を扱う配送業者も増えてきているため、大きな荷物でなくても軽貨物配送で配送するケースがあります。
ルート配送に特化している業者や全国的な配送が苦手な業者など、業者によって業務の得手不得手が存在します。
業者の選定、配送の時間やコスト、集荷のタイミングなどは事前の検討・確認が必要となります。
商品や販売方法の特性とマッチするかが重要となるため、宅配便やメール便との違いをふまえて選ぶ必要があります。
メリット
・大型の荷物や特殊な配送に応じてくれる
・契約によって宅配便より低コストになる場合がある
・ルート配送 / 貸し切りでの配送など商品にマッチする配送が選べる
デメリット
・配送時間 / コスト / 集荷タイミングなどは業者ごとに確認が必要
・コンビニ受領や代金引換などが対応できない場合がある
・商品と配送業者の強みが合わないとコストがかかってしまう
宅急便やメール便とあわせて活用することで、新しい商品の取り扱いにつながったり配送に柔軟性を持たせることができるなど、メリットを活かすことができます。
国際宅急便(国際郵便)
国際宅急便(国際郵便)は、海外に商品を発送する際の配送方法です。
ヤマト運輸や佐川急便だけでなく、DHLやFedExといった国際宅急便を強みとした配送業者が有名です。
なお、日本郵政が配送する場合は「国際郵便」と呼ばれ、民間企業が配送する際には「国際宅急便」と呼ばれます。
配送の際に船便・航空便などを選ぶこともでき、商品特性に応じてプランを構築することでコストを抑えた配送を依頼できます。
小口配送・大口配送・特殊配送・定期発送など柔軟な対応も可能なので、配送業者と相談して商品に合わせたプランを決めていきましょう。
国内の通常配送とは異なるため時間がかかる場合があります。
そのため、事前にお客様へ配送予定をお伝えするようにし、トラブルにならないよう配慮しましょう。
商品の価格に比べ配送費用が割高になる場合もあり、そのことがキャンセルにつながるケースもあります。
そのほか大型荷物(重量が20kgを超える場合など)は配送できないこともあるので、事前に配送業者に確認しましょう。
メリット
・輸出入通関を配送業者が代行してくれるため面倒な手続きを減らせる
・配送の点数やサイズ、商品特性に合わせた配送プランの構築が可能
・最短翌日での到着が可能な場合があり、スピーディな対応が可能
※ 宅配サービス、配送業者、条件により異なります
デメリット
・配送に時間がかかる / 配送費用がかさむケースがある
・燃料サーチャージで費用の変動が発生することがある
・大型荷物は発送不可のケースがある
燃料サーチャージは燃料にかかる費用が高騰した際に発生する上乗せ料金のことです。
特に昨今は石油価格・燃料費の高騰がありますので、配送業者へ事前の確認を行いましょう。
食品や温度管理が必要な商品を発送する場合
食品を発送する際、温度管理が必要な場合があります。
その場合は冷蔵便(チルド便)・冷凍便(クール便)といった宅急便で配送を行う必要がありますが、どちらがどういう配送方法なのか、自社の商品はどちらで送ればいいのかなどを、配送の特徴から考えてみましょう。
冷蔵便(チルド便)
宅配サービスにより異なりますが、おおむね0℃~10℃で温度管理をして商品を配送します。
(厳密な管理温度帯は配送業者により異なります)
荷物の凍結を避けつつ低温で配送するため、商品の品質維持や劣化を防ぐことができます。
食品の場合はお歳暮・お中元での配送にも対応することで柔軟なサービスとして活用できますし、丁寧な温度管理が必要な医薬品・化粧品を冷蔵便で発送することで商品管理の品質向上につながります。
そのほか、宅配便と同様に配送追跡 / 紛失・破損補償も利用でき、代金引換での購入も可能となります。
温度管理が行われるため、通常の宅配便よりも料金は高くなっています。
発送前までの予冷についてはショップ側の管理となりますので、保冷剤の準備や温度管理など怠らないようにしましょう。
なお配送についてはサイズ / 重量の制限がありますので、注文の量によっては複数口での発送となる場合もあります。
メリット
・生鮮食品や医薬品など温度管理が重要な商品の品質維持が可能
・宅配便と同様のサービスが利用できるため配送追跡 / 紛失・破損補償 / 代金引換が可能
・商品が凍る温度ではないので、低温かつ凍らせたくない場合には最適
デメリット
・通常の宅配便よりも料金は高い
・発送までの予冷は必要となり、保冷剤の準備や温度管理が必須
・配送できるサイズ / 重量に制限があり、大型の荷物は配送が難しい場合がある
冷凍便(クール便)
冷凍便(クール便)は、冷蔵便(チルド便)よりも低い温度(おおむね-10℃~-15℃)で温度管理をして商品を配送してくれます。
(厳密な管理温度帯は配送業者により異なります)
荷物を凍結させたうえで溶けないように配送したい場合は冷凍便(クール便)での配送が必須となります。
冷凍食品や魚介類など、凍結を施した上で温度管理が必要な食品を送ることが可能です。
梱包を工夫することで、より低い温度管理が必要な商品を送ることもできるため、取り扱える商品の幅を広げることも出来ます。
冷蔵便と同様ですが、梱包のための発泡スチロールやドライアイスなどはショップが管理する必要があります。
また、保冷輸送(温度を保った輸送)である場合は荷物の冷却を行うわけではないので、発送までの梱包・管理には配慮が必要です。
配送業者により冷凍便・クール便といった呼称でも温度帯が異なる場合があるため、事前に確認を行いましょう。
メリット
・凍結させたうえで溶けないように管理が必要な商品に向いている
・宅配便と同様のサービスが利用できるため配送追跡 / 紛失・破損補償 / 代金引換が可能
・より低い温度での管理が必要な場合も、梱包を工夫して対応可能なこともある
デメリット
・通常の宅配便よりも料金は高い
・発送までの予冷は必要となり、保冷剤の準備や温度管理が必須
・配送できるサイズ / 重量に制限があり、大型の荷物は配送が難しい場合がある
あくまでおおまかな判断基準ですが、
・凍らせたくないが低温での管理 / 配送が必要な商品は冷蔵便(チルド便)
・凍らせたままの管理 / 配送が必要な商品は冷凍便(クール便)
といった風に配送方法を使い分けるといいですね。
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